精神科学教室 活動報告

研修医基礎研修に出講

2018.04.05

平成3044日、研修医基礎研修ののうち、「研修医のためのメンタルヘルス」という題目で、職場におけるメンタルヘルス、研修医特有のストレス、ストレスコーピングなどについて研修医の過労死についての新聞記事を題材に講義を行いました。過労自殺については社会問題となっており、特に医師の働き方については応召義務との兼ね合いから様々な議論がなされているところです。特に研修医のストレスについては、以下の3つの論文も引用しながらストレスの気付きの重要性について強調しました。新入職の先生達には、元気に研修をスタートさせて欲しいと思います。

 

木村琢磨ほか、わが国における研修医のストレス要因の探索的研究.医学教育2007, 38:383389

前野哲博ほか、新臨床研修制度における研修医のストレス.医学教育 2008, 39:175182

井奈波良一、井上眞人、1 年目研修医のバーンアウトと職業性ストレスおよび対処特性の関係.日職災医誌 2010, 58:10110

栃木 衛

 

帝京大学医学部公開講座

2018.03.19

  平成30317日、帝京大学医学部と板橋区教育委員会の共催による区民公開講座「家庭の医学」に出講してきました。この講座は昨年7月から6回シリーズで行われているもので、今回は「認知症」がテーマでした。平成37年には高齢者の5人に1人が認知症になるという推計のもと、国家的に進められている新オレンジプランの内容の他、認知症や軽度認知障害の基本的な知識について解説を行い、当科の認知症診療への取り組みについても紹介させて頂きました。 

  熱心な聴講者の方々からは活発な質問も頂きました。その中で、講義の中で紹介した「男性よりも女性に認知症が多く見られる」というデータについて、「なぜなのか」という質問がありました。単純に女性の方が長生きするからかもしれない、という回答を提示しましたが、それ以上の知識を持ち合わせていなかったため、改めて調べてみました。男女の脳の差やホルモンの影響、女性の方が変化に乏しい生活を送るから、など様々な仮説があるようですが、定説にまでは至っておらず、「不明」というのが現状での正解のようです。また、アルツハイマー型は女性の方が多いが、脳血管性だと男性の方が多いなど、病型によっても違いがあり、そう単純な問題でもなさそうでした。 

  聴講者の方々の熱心さに刺激を受け、こちらもますます精進しなければ、と思いを新たにしました。本講座が少しでも皆さんの役に立つものであれば幸です。なお、本講座は今回が最終回だったので、講義の後に修了式も行われました。聴講者の皆さん、お疲れ様でした。

栃木 衛

 

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