精神科学教室 活動報告

「認知症サポート医養成研修」

2017.01.30

1月28・29日の2日間にわたり、認知症サポート医養成研修を受講し、資格を得た。認知症 サポート医とは聞き慣れない名前と思われるだろうが、以下のような役割の、厚生労働省 から与えられる資格である。

・かかりつけ医の認知症診断に関する相談・アドバイザー役、他の認知症サポート医との 連携体制の構築
・地域医師会と地域包括センターとの連携づくりへの協力
・医師会を単位とした、かかりつけ医を対象とした認知症対応力の向上のための研修の企 画立案及び講師

当初は、伝達講習を行うための役割だったものが、次第に連携の役割も期待されるように なり、最近では診療報酬上も要件として必要になる場合がある。それを反映してか、参加 者は全国から500人近くにも及んだ。
研修は国立長寿医療センターの先生方を中心に行われ、認知症政策や認知症サポート医の 役割、認知症の診断・治療、関係する制度など、最新の知見や実際的な話が含まれながら もコンパクトにまとめられており、よい意味で期待を裏切られた。2025年には5人に1人 が認知症になると推計されており、対策は現在進行形で進められている。今回の研修もい わばその政策実現の中の1コマと言ってもよいわけだが、全国の認知症診療の状況や国の 政策をダイレクトに見聞できたのもよい経験になったと思う。当科でも適切な形で受講内 容や資格を反映させていければ、と考えている。

栃木 衛

 

 

 

 

 

 

「若年性認知症講演会が行われました」

2017.01.18

 平成29年1月14日、板橋区・板橋区医師会主催による若年性認知症講演会が板橋区立文化会館で行われました。
 講演1は「若年性認知症とは?-医療と最近の話題-」と題し、栃木が担当させて頂きました。新オレンジプランに基づく昨今の認知症をめぐる社会情勢や、若年性認知症の基本的な情報、最新の話題についても紹介させて頂きました。
 講演2は10年にわたり若年性認知症の奥さんの介護を続けてこられた羽鳥彰紘さんの当事者家族としてのお話「若年性認知症の妻との10年の歩み」でした。羽鳥さんは家族会の「若年認知症ねりまの会MARINE」の会員でもあり、①家族会に入会すること、②認知症であることを隠さないこと、という介護を行う上での2つのポイントを強調して下さいました。紹介して下さったたくさんの奥さんとのツーショットの写真を拝見していると、つい幸せそうに思えてしまいますが、その裏にある多くの苦労で支えられているものだと思いました。
大変貴重なお話でしたが、特に認知症が進行した際に気を付けられていたという3つの「ない」:①(これくらいはできるだろうと)期待しない、②(何をしても)否定しない、③(思わぬことが発生しても)うろたえない、には感心させられました。
 今後、当科でも様々な面で患者さん、ご家族、地域の役に立てるように、体制作りを進めていければと思いを新たにしました。
栃木 衛
 
20170114.jpg

 

Copyright(c) 2020 帝京大学医学部精神神経科学講座 Inc. All Rights Reserved.