精神科学教室 活動報告

第3回いたばしこころの連絡会

2019.05.29

2019年5月28日、ホテルメトロポリタン池袋にて、第3回いたばしこころの連絡会が開催されました。この連絡会は、地域医療機関の先生方と当院・当科との連携を深めることを目的に毎年2回開催しているものです。今回は、前回のアンケート結果で要望が多かった「エキスパートの先生の講演」にしぼって、日本大学医学部精神医学系主任教授 内山真先生に「統合失調症と睡眠」という演題でご講演頂きました。統合失調症では睡眠紡錘波が減少しており、それが幻覚妄想や認知機能低下とも関連しているというデータがあること、そのような所見と統合失調症のフィルター仮説との関連、睡眠によって病状が改善するメカニズムの推測など、非常に興味深い話を伺うことができ、一同示唆を得るところ大であったと思います。また、当科からは渡邊由香子講師が「高度肥満を合併した統合失調症の治療例」について発表し、統合失調症の患者さんの治療経過中に生活面で注意すべきことを具体例を元に解説しました。本連絡会が板橋区を中心とする地域の精神医療の向上への一助になれば、一同これに勝る喜びはありません。

台湾における実践仏教組織視察報告会

2019.04.05

平成31年4月4日、東京都長寿医療センター研究所にて、科研費挑戦的研究(開拓)「超高齢・多死社会への新しいケア・アプローチ:地域包括ケアにおけるFBOの役割」(研究代表者:小川有閑)による標記報告会に招かれたので参加してきました。FBOとは、Faith-Based Organization、すなわち信仰に基づく組織ということで、米国などで協会などの宗教組織が貧困層に対するソーシャルサービスの担い手として社会活動を行ってきたことに対し、包括的な概念として認識されるようになってきたということです。当研究班の先生方は、日本における伝統仏教寺院や僧侶が認知症ケアや終末期ケアに対して潜在的社会資源として有効に働くのではないか、すなわちFBOとしての可能性を検証しようとされています。本報告会では仏教国でもあり、終末期ケアを医療界と宗教界の協働によって改革したという台湾の視察報告が行われました。具体的には、緩和ケア病棟で僧侶が活躍している台湾大学医学部、このような運動の司令塔となっている財団法人、宗教者による地域ケアの最前線でもある訪問看護ステーション、認知症の人と家族のための居場所であるFamily of Wisdomが豊富なスライドと共に紹介されました。出席者には実際に緩和ケアチームに入って活動されている僧侶の方もおられて具体的な話を伺えたほか、日本と台湾の宗教・文化的背景の相違についても多面的な解説をして頂き、日本における今後の緩和ケア・認知症ケアのあり方について示唆を受けるところ大でした。今後も研究班の先生方の活動に注目していきたいと思います。

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