精神科学教室 活動報告

地域の発達診療トランジションを考える会

2019.08.27

2019年8月26日、帝京大学本部棟4階会議室にて、「地域の発達診療トランジションを考える会」が開催されました。トランジションとは、主に小児医療で近年注目されている用語とのことですが、どちらかと言えば保護者を含めて行ってきた治療を、思春期頃を境に本人主体の成人期の医療に移行させていくことを指します。心疾患をはじめ多くの慢性疾患が対象になりますが、発達障害を含む精神科領域の疾患もどのようにスムーズなトランジションを進めていくべきなのか、検討すべき対象となっています。今回、発売中のADHD薬剤に成人適応が追加されたのにあわせ、板橋区子どもの心の医療連携を考える会とシオノギ製薬の共催にて企画されました。講演の内容は以下の通りでしたが、70名近くの近隣の先生方にお集まり頂き、関心の高さを伺わせる熱気にあふれる会となりました。今回の企画を契機に将来の診療体制の構築に向けて、小児科・当科ならびに関係機関の連携を深めていければと思います。

オープニングリマークス

帝京大学医学部小児科学講座 星野 英紀 講師

地域の先生の講演

心身障害児総合医療療育センター小児科 外来療育部長 米山 明 先生

「素行障害のある子どもにおける薬物治療経験」

帝京大学医学部精神神経科学講座 伊東 ゆたか 病院教授

「医療機関・児童福祉の現場での発達障害とトラウマ」

特別講演

昭和大学附属烏山病院 病院長 岩波 明 先生

「大人の発達障害~捉え方と治療~」

クロージングリマークス

帝京大学医学部精神神経科学講座 栃木 衛 教授

 

東京精神医学会第116回学術集会

2019.07.16

2019年7月13日、ステーションコンファレンス東京にて東京精神医学会第116回学術集会が行われました。当科からは永井・杉崎の両医師が以下の演題を発表しました。

 

永井誠一、金田渉、赤羽晃寿、金井理恵、松村謙一、渡邉公聡、森岡久雄、栃木衛、林直樹、経過中パーキンソニズムを呈し、治療に難渋したうつ病の1例.

杉崎諒太、渡邊由香子、赤羽晃寿、押久保岳、三宅浩司、江村康、狩野悦生、栃木衛、林直樹、身体拘束中にヘパリン起因性血小板減少症を発症した1例.

 

いずれも日常の病棟診療の中で注意を要する貴重な患者さんの病態について報告をさせて頂いたものです。このような機会を通して我々の診療経験が広く共有されると同時に学術的な水準まで高められればと思います。

 

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