精神科学教室 活動報告

研修医基礎研修に出講

2018.04.05

平成3044日、研修医基礎研修ののうち、「研修医のためのメンタルヘルス」という題目で、職場におけるメンタルヘルス、研修医特有のストレス、ストレスコーピングなどについて研修医の過労死についての新聞記事を題材に講義を行いました。過労自殺については社会問題となっており、特に医師の働き方については応召義務との兼ね合いから様々な議論がなされているところです。特に研修医のストレスについては、以下の3つの論文も引用しながらストレスの気付きの重要性について強調しました。新入職の先生達には、元気に研修をスタートさせて欲しいと思います。

 

木村琢磨ほか、わが国における研修医のストレス要因の探索的研究.医学教育2007, 38:383389

前野哲博ほか、新臨床研修制度における研修医のストレス.医学教育 2008, 39:175182

井奈波良一、井上眞人、1 年目研修医のバーンアウトと職業性ストレスおよび対処特性の関係.日職災医誌 2010, 58:10110

栃木 衛

 

治療抵抗性うつ病に対する経頭蓋磁気治療法(TMS)研究の参加者募集!!!

2018.03.26

帝京大学医学部附属病院メンタルヘルス科では治療抵抗性うつ病に対して経頭蓋磁気刺激療法(TMS)の効果予測因子の探求を目的とした臨床研究を実施しています。この研究に被験者として参加して頂くと、無料で経頭蓋磁気刺激療法(TMS)を受けることができます。

※治療抵抗性うつ病とは、十分に抗うつ薬を使っても改善しない、あるいは副作用のために抗うつ薬を十分に使うことができないうつ病のことです。

★研究の目的

治療抵抗性うつ病の方にTMSを受けて頂き、TMSの有効性について検討するとともに、TMSの実施前後で治療過程に対応した脳の血流変化を評価することにより、TMSの抗うつ効果のメカニズムについて研究しています。

★経頭蓋磁気刺激療法(TMS)とは?TMS.jpg

うつ病に対する新しい治療方法です。頭の皮膚の上にあてた電磁石の磁場を変化させることにより、弱い電流を脳内に発生させて大脳の神経細胞を刺激して脳機能を調整する治療法です。うつ病では脳機能の一部が異常な状態になっていると考えられており、TMSによりこれが調整されることにより改善が得られると推測されています。

TMSは、米国・カナダ・オーストラリアでは既に治療抵抗性うつ病の治療として保険適応が承認されている安全な治療で、薬物療法や電気けいれん療法と比べて有害な作用や侵襲性が少ないという特長があります(日本国内でも近々保険適応となる見通しです)。

★副作用について

副作用が少なく、安全性が高いのが特長ですが、治療中に32-47%程度の方が頭痛を感じると言われています。ただし、刺激をやめれば数時間で消失するとされています。その他、けいれんの報告はありますが、0.1%と極めて稀です。近年、装置から発生する機械音により聴力低下の危険性があることが指摘されておりますので、治療中は耳栓を使用して頂いています。これまでに生命に関わるような重篤な副作用の報告はありません。

★実際の流れ

TMSは、当科病棟に入院しながら受けて頂きます。概ね以下のようなスケジュールで、8週間で終了します。TMSの有効性評価のため、原則として薬剤の変更や調整は行いません。

◆入院後1週目まで…事前の検査
   採血、心電図、脳波、脳画像検査(MRIとSPECT)、心理検査

◆入院後1週後から8週まで…TMS実施
   1日1回40分、週5日実施(合計26回)
   2週間おきに心理検査を行い治療効果を測定
   TMS開始後4週目にMRIとSPECTで脳機能を再評価

★研究の被験者としてTMSを受けられる方には条件があります

【TMSを受けられる方】
・20歳以上、70歳以下の方
・中等症から重症と診断されるうつ病の方(目安としてはHAM-D18点以上の方)
・抗うつ薬による適切な薬物療法が無効だった方
・電気けいれん療法やTMSをまだ受けていない方

【TMSを受けられない方】
  
躁うつ病の方や、幻覚妄想や著しい自殺念慮を伴う場合、強迫性障害、PTSD、摂食障害、てんかん、神経疾患、薬物・アルコール依存症などを合併している場合、妊娠中の方、重篤な身体疾患をお持ちの方などは受けられません。

※TMSの対象となるかどうかは、当科の判断を優先させて頂きます。基準にあてはまらない場合はご希望であってもお断りする場合がありますので予めご了承ください。

★費用

   TMSはうつ病に対する治療法としてまだ日本では保険承認されていないため、当科では保険診療ではなく臨床研究として実施しています。従って費用は通常の入院に伴う経費のみで、TMSについての被験者の負担はありません。

★参加ご希望の場合

現在、他の医療機関で治療中の場合は、、診療情報提供書(紹介状)を担当の先生に作成頂いた上で、以下までご連絡下さい。

     TMS2.jpg

その他の場合も、下記にお気軽にお問合せ頂ければ、TMSの適応の有無についてご説明致します。

     TMS6.jpg

★TMS終了後は

ご本人及びご家族に治療の経過と検査結果についてご説明します。他の医療機関からご紹介の場合は、退院後は再度紹介元の医療機関で治療を継続して頂きます。紹介元の医療関にも、治療経過と検査結果をご報告させて頂きます。

印刷はこちらから⇒ TMSチラシ.pdf 

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