精神科学教室 活動報告
29th CINP (Vancouver Canada) に参加しました。
2014.07.02
バンクーバー コンベンションセンター(学会会場)
2014年6月22日~26日に カナダ バンクーバーで開かれた『第29回国際神経精神薬理学会(CINP)』に参加しました。今回は、日本におけるベンゾジアゼピン処方の問題点について、繰り返される大量服薬自殺企図との関連から報告しました。我が国のベンゾジアゼピン系薬剤の処方量は、しばしば欧米に比べて多いことが指摘されています。また、近年、我が国では医師が処方した向精神薬による大量服薬自殺企図が増加しており、その多くにベンゾジアゼピン系薬剤が使用されていることも事実です。我々は2006年に初めてベンゾジアゼピン系薬剤の多量処方と大量服薬自殺企図との関連を指摘し、今回はその後の再調査を報告したものです。
一方、厚生労働省は2010年に向精神薬による大量服薬自殺企図に対する注意喚起を発し、以後、処方の実態調査を経て、2012年から抗不安薬、睡眠薬の多剤処方に対して診療報酬を減額する制度を導入しています。
なお、本報告の結論は当たり前のことですが、ベンゾジアゼピン系薬剤の適正使用です。
赤羽晃寿
“A-MAZE-ING LAUGHTER”(イングリッシュ湾にある「笑うおじさん」の像)
右にBCプレイス・スタジアム(オリンピックの開・閉会式会場)
ブリティッシュコロンビア大学(UBC)構内にある海が見えるローズガーデン
外部講師を招いての勉強会
2014.06.27
6月10日に吉祥寺病院の河岸光子先生より「精神科病棟の管理―日常のあれこれ―」というテーマで勉強会をしていただきました。吉祥寺病院は精神科単科の病院であるため、大学病院との違いについて学べる機会でもあり、私自身も楽しみにしていました。
危険物の持ち込み制限など基本的なところは、さほど変わらないなと思いました。しかし、危険物と考える種類の多さに驚きました。シャンプーやリンスは飲んでしまうから危険物になると思いきや、廊下に撒いてしまうから危険物として扱っていると説明されたので思わず笑つてしまったくらい新鮮でした。
行動制限についても一人ひとりの患者さんにあった方法をスタッフ間で何度も話しあい、必要な時には他の患者さんにも説明し理解を得たりしていることを知りました。確かに、行動制限が必要な患者さんは本人やスタッフだけでなく周りの患者さんにも少なからず影響しており、行動制限を拡大した事で周囲が警戒したり嫌がったりしてしまうため理解を得ることは大切だと感じました。
患者さんとスタッフの距離感の大切さをあらためて実感し、親密すぎてもいけないですが良好な関係を築き患者の目線に立って考えていく事の重要さを学ばされました。
大学病院と単科の病院とで環境は違いますが、ともに患者さんのことを考え治療に向き合っているのは変わらないと思います。籠の中の鳥にならないよう外にも目を向けて新鮮な気持ちで看護ができるようにしたいです。
今回、講義していただいた河岸先生にはあらためてお礼を申し上げます。
病棟看護師 齋藤哲也