精神科学教室 活動報告
認知症医療連携講演会が開催されました
2016.09.02
9月1日、院内会議室にて、帝京大学医師会、帝京大学医学部附属病院、日本メジフィジックス株式会社、エーザイ株式会社の共催にて認知症医療連携講演会を開催しました。この講演会は、共催者に加え、板橋区医師会および北区医師会のご後援も頂いて、地域の一般開業医の先生方との連携を念頭において企画されたものです。
板橋区医師会からは、地域医療部理事の加藤喜之先生から「板橋区医師会における‘もの忘れ相談事業’について」という演題で、板橋区内の認知症診療の取り組みについて包括的に事業の内容をご説明頂きました。認知症関連の検査の空き状況やBPSD・身体合併症を持っている患者さんの受け入れなど、専門医療機関の果たすべき課題についてご指摘頂けたことは大変参考になりました。今後は病診間で情報交換をアップデートしながら継続していくことが必要であることもご指摘頂きました。
北区医師会からは、北区オレンジほっとクリニックの平原佐斗司先生から「地域連携型認知症疾患医療センター、オレンジほっとクリニックの役割と活動について」という演題で、同クリニックの診療や活動の内容を中心にご説明頂きました。東京医科歯科大学や聖路加看護大学で教鞭をとられていることからも伺えるように、学問的な知見をベースとしながらも、ご自身の熱意や姿勢が明確に伝わる診療内容の紹介でした。平原先生からも、専門医療機関で心理検査だけでも請け負ってもらえると地域の診療の助けになるのではというご指摘を頂きました。
最後に当科から栃木が「当科における認知症医療の取り組みと医療連携について」という演題で、近年関心の高まっているレビー小体型認知症についての解説と、当科外来の「もの忘れ(認知症)診断の検査」や入院診療についての紹介をさせて頂きました。当科での認知症診療の取り組みは緒についたばかりですが、地域の先生方のご指導を頂きながら、患者さんの役に立つものにしてきたいという思いを新たにしました。個人的には、大学病院の中にいるだけではなかなか認識する機会のない貴重な情報を得る会であったと思います。お忙しい中お集まり頂いた先生方、企画頂いたスタッフの方々に、この場をお借りして改めてお礼申し上げます。
栃木衛