精神科学教室 活動報告

「身体合併症に関する病診連携」

2014.04.03

アークメディア社発行の臨床精神医学3月号の特集精神科臨床における身体疾患への対応」で、赤羽講師・松村助教・林病院教授による論文「身体合併症に関する病診連携」が掲載されました当科でコンサルテーションを受けた患者59名の調査所見をもとに精神科臨床における身体合併症医療の問題点を指摘し、今後の対策として身体合併症医療に特化した有床総合病院の新増設と、総合病院精神科の機能分化を提案した内容です。関心をお持ちの方は是非ご一読下さい。    

下記の抄録をご覧ください。   

特集:精神科臨床における身体疾患への対応 

身体合併症に関する病診連携 

赤羽 晃寿  松村 謙一  林  直樹 

抄録:精神科臨床における身体合併症医療は総合病院精神科の重要な役割の1つである。身体合併症医療には連携が不可欠であり,院内においては身体科との連携、院外では地域医療との連携が求められる。とりわけ地域医療との連携とは、端的に言えば患者を積極的に受け入れて身体的治療と精神科治療を行うことである。本論では,帝京大学医学部附属病院に2012年10月からの1年間に初期・2次救急, 一般身体科にて治療を受け、精神科ヘのコンサルトがなされた精神科診療所通院中の患者59名の調査の所見を報告した。その精神科診療では、近隣の精神科診療所に通院中の、うつ病を中心とする精神障害の患者が癌や感染症で平均28日間身体科に入院となり、その間に精神科診療が約2回行われていた。そこでは,身体合併症患者の入院が長期化しやすいこと、多くを精神科病棟で受け入れることが難しいことといった問題点が指摘された。今後の対策としてわれわれは、身体合併症医療に特化した有床総合病院の新増設と総合病院精神科の機能分化を提案した。

臨床精神医学43(3):325~330,2014 

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