精神科学教室 活動報告

論文が受理されました

2013.12.12

 栃木が共著者となっている論文が受理されました。

 東京大学大学院教育学研究科佐々木司教授の研究室で行われている研究で、栃木は大学院生の股村さんが英文論文にまとめる際にお手伝いをさせて頂きました。

 論文の内容は、のべ314人分の一卵性双生児の中高生の縦断的データを用いて、寝時刻が遅くなったり、睡眠時間が短くなったりすると抑うつや不安の程度が高まることを示したものです。これまでにも同様の関連を指摘する報告はありましたが、これらが因果関係によるものなのか、遺伝的要因など他の因子による見かけ上の相関によるもの(偽相関)なのかが不明でした。今回、一卵性双生児のデータを用いることにより、睡眠習慣と精神的健康度の間に因果関係がある可能性を恐らく世界で初めて示しました。テレビやパソコンなどの影響で睡眠習慣が乱れがちな現代において、中高生が精神的な健康を維持するためには早寝早起きの習慣や必要な睡眠時間の確保が重要であることを改めて示したものと言えそうです。

Matamura M, Tochigi M, Usami S, Yonehara H, Fukushima M, Nishida A, Togo F,
Sasa ki T. Associations between sleep habits and mental health status and
suicidality  in the longitudinal survey of monozygotic-twin adolescents. J
Sleep Res in pres s.

栃木 衛

 

 

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