精神科学教室 活動報告
2013年国際アルツハイマー学会議(米国 ボストン)に参加しました。
2013.07.24
2013年7月13日~18日に米国ボストンで開かれた『2013年国際アルツハイマー学会議(AAIC 2013)』に参加しました。今回は、浜市先生(北海道室蘭市 三村病院院長)との共同研究の報告です。内容は、頭部MRIを用いたVSRAD(早期アルツハイマー病診断支援システム)によって、日常診療でしばしば遭遇する以下の2つの問題の手掛かりを探るものです。
①老年期の気分障害で多くみられる仮性認知症の症状とアルツハイマー病の初期症状とは類似した臨床症状を呈することがあり、鑑別に困難を要することが多い。
②気分障害からアルツハイマー病への移行について(気分障害の病相回数が多いほど認知症の発病危険率が高くなるという報告がある)。
結論は、アルツハイマー病と気分障害の鑑別において、VSRADのZスコアが1.52以上であればアルツハイマー病の可能性が高く、Zスコアが1.32以上であればアルツハイマー病への移行を注意すべきではないだろうかというものです。この結果が日常診療において一つの目安になるのではないかと考えています。余談ですが、実はVSRADは我が国のみで用いられている解析ソフトであり、この報告が実際に外国人にどのように感じたものかと・・・・・。
Boston Convention and Exhibition Center(学会会場)
赤羽晃寿
ボストンの朝
フェンウェイ・パーク
(ボストン・レッドソックス本拠地)
ハーバード大学
(遠くに ジョン・ハーバードの座像)
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