精神科学教室 活動報告

栃木県医師会 男女共同参画講演会

2013.02.25

 平成25年2月23日(土)、栃木県医師会主催の男女共同参画講演会に出席しました。本会のテーマはワーク・ライフ・バランスへの取り組みに関するもので、その一環として、私も毎度せん越ながら、仕事上でのストレスに関するテーマで講演をさせて頂きました。

 そもそもは、女性医師の増加と国の男女共同参画の推進に始まり、行き着いた先は『医師が安心して医療を提供できる体制を作るためには(長時間過重労働を中心とした医師の労働環境を改善するには)、男女を問わずワーク・ライフ・バランスを図れる人材を育成することが大切である』ということになっているようです。この「・・・・ようです。」という表現は、私も含めて多くの医師が、これまでワーク・ライフ・バランスなどという言葉を知らず、仮に知っていたとしてもあまり意識していなかった、すなわち、医師は仕事第一主義で長時間労働が当然という考え方が一般的だったからだと思います。ただ、だからといってワークを抑えるということではなく・・・・・・みんながそんなことをしたら医療が成り立たないのは明白で、ならば一体どうすればよいの??。まさにワークとライフのバランスをとるのは難しいと思いました。

 基調講演では東レ経営研究所ダイバーシティー&ワークライフバランス研究部の渥美由喜 部長が『医療機関におけるワーク・ライフ・バランス』といったテーマで講演をされました。その中で最も印象に残ったのは、ワークとライフを天秤にかけて、そのバランスをとるのではなく、ライフの上にワークが乗っかっている、ライフとワークの相乗効果という考え方でした。すなわち、健康・休養、子育て・介護、趣味といった生活や人生という土台があってこそ、質の高い仕事につながるというもので、確かにその通り、無理にバランスをとろうとすると難しく、結局は上手くいかないんだろうなと思いました。

 この分野、精神科医であるが故に、意識すればするほど、考えれば考えるほど、はまっていきそうな気がします。

                                       赤羽晃寿

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