精神科学教室 主任教授
Jcores研修会
2015.07.13
5年前より研究開発をしてきた統合失調症などの認知障害機能を持つ精神障害者に対する認知機能リハビリテーション専用ソフト「Jcores」の公開のための研修会を7月11日に開きました。待っていただいた使用希望の施設の方々もおられ、全国より49施設101人の参加がありました。
平成20年度より精神障害者の認知機能障害を向上させるための認知機能リハビリテーションに用いるコンピューターソフトの開発とこれを用いた認知機能リハビリテーションの効果検討に関する研究を行ってきました。日本語の認知機能リハビリテーションに用いるコンピューターソフトはなく、ドイツのコンピュータソフト会社であるMarker Software が開発した精神障害をもつ人のための認知機能リハビリテーション用ソフト「Cogpack」を翻訳して用いましたが、ライセンス上研究でしか使えず、日常臨床には使えないので、平成23年度から日本語版オリジナルソフトの作成に着手し、認知機能リハ専用のコンピューターゲームを作りました。
Jcoresという名前で、CogPackと構成(6つの認知機能領域を網羅するゲーム)は似ていますが、画像はずっときれいになりました。
平成25年冬からフィールドトライアルを行い、実用性や効果を検証していますが、公開にこぎつけられることになりました。
☆認知機能リハビリテーションとは?
認知機能リハビリテーションとは、コンピュータソフトとグループ活動によって、脳の記憶力や集中力、問題解決能力などを養うプログラムです。
☆認知機能リハビリテーションのいいところはなに?
認知機能リハビリテーションをしっかり行うと、ものわすれが減ったり、注意力が上がったり、またややこしい問題を順序立てて考える、計画を立てて考える、といった力をつけることができます。また、これらの力を普段の生活でどのように役立てたらよいかについても、学ぶことができます。さらに海外の研究で、このようなリハビリテーションが将来の就労や社会参加に役立つといわれていますが、日本では実際どのように役立つのかまだわかっていません。