精神科学教室 主任教授
認知リハビリテーションの主要アウトカムとしての社会機能の評価に関する研究
2014.06.25
厚生労働省科学研究費補助金 障害者対策総合研究開発事業 疾病・障害対策研究分野 「統合失調症に対する認知リハビリテーションの開発と効果検証関する研究」 を平成24年から3年間の研究として行っています。平成25年度の研究がまとまりました。下記の要旨をご覧いただき、関心をお持ちの方はPDFを是非ご一読下さい。
要旨:統合失調症の社会的機能の適切な評価尺度の開発が国際的な課題となっている。実行する能力の測定、なかでも対人技能の波1定は、文化や年齢による差異が大きいことや、複雑な対人行動にかかわる多数の変数をどのように抽出して統合していくかなどの評価技術の問題があり、今後の開発が期待される分野である。そ手で本年度は対人スキルについてのパフォーマンステスト・ドラフトを開発した。目的があいまいで親和的スキルを要求される場面と、明確な目的をもつて行動することが要請される2場面からなり、社会的な状況認知―行動選択と対人行動―それについてのメタ認知や実行可能性の自己評価からなる。10名のフィールド・トライアルを実施した。スキルの普遍性、客観的・数量的評価技術の開発、実用性などが来年度の課題である。